勢い良くケーキを頬張ると、口の中に程良い甘みと果物の水々しい酸味が広がっていく。
【カロリア】
「美味しい〜。幸せ…………」
【ルディー】
「そんなに美味しそうに食べて貰えると、こっちも嬉しくなるね」
ルディーは、私が食べるのを楽しそうに眺めている。
【カロリア】
「ねぇ、私の顔になにかついてる?」
【ルディー】
「え、顔?」
【カロリア】
「さっきから、私の顔、見てるから……」
【ルディー】
「そうだね……。
美味しそうに食べてくれる君の顔を見ていたら、目が離せなくなった」
ドキン……!!
な、なにドキドキしてるんだろ。相手は、女の子……じゃない。
中身は男の子だけど……。
【ルディー】
「どうかした?」
【カロリア】
「ううん。別に……」
意識する方がどうかしてるよ。
私は、なるべくルディーの視線を気にしないようにして、急いでケーキを食べてしまった。
あぁ……。もう少し、ゆっくり味わいたかったな。
【カロリア】
「美味しかった!ご馳走様」
【ルディー】
「気に入って貰えたみたいで良かった」
【カロリア】
「えぇ、とっても」
【ルディー】
「じゃあ、また作るよ。君のために……」