【カロリア】
「!!!」
【???】
「この者は、俺の……恋人だ。
ここに彼女を呼んだこと、悪いが黙っててはくれないか」
突然、後ろから伸びてきた長い腕に、私は捕らえられていた。
【カロリア】
「ちょ……っ……うぅ……!!!」
これって、どういうこと!?
いつ私がこの人の恋人になったのよ!
叫ぶよりも早く、彼の大きな手が私の口元を塞いでしまう。
【カロリア】
「むうぅ…………!!」
【???】
「少し黙っていろ……」
彼の低い声が、私にだけ聞こえるように小さく耳打ちする。
【カロリア】
「…………うぅ……」
【門番】
「……はっ!
これは、とんだご無礼を!」
【???】
「いや、騒がせて悪かったな」
もう下がって良い……。
そう男が目で合図すると、門番は行ってしまった。
門番が完全に姿を消したのを見計らって、ようやく彼は私を解放した。