【フェイン】
「悪ぃ……。
ちょっと協力してくれ」

【カロリア】
「え……」

な、なんなの……これは!?
急に抱きついてくるなんて、もしかして、変態さん!?

【カロリア】
「な、なに……」

【フェイン】
「しっ!
あいつらが通り過ぎるまで、静かにしててくれ」

【カロリア】
「あなた、追われているの?」

彼に合わせて、私もヒソヒソと声を潜める。

誰かに追われてるみたいだけど、
この人、悪い人には見えないのよね。

【フェイン】
「ちょっと訳ありでな……」

悪戯っぽくウインクをよこしてくるなんて、
追われてるわりには、余裕があるみたい。

【???】
「おい、こっちを調べろ!」

ど、どうしよう。
こっちに近づいて来るみたい。

【フェイン】
「悪ぃ……。
ちょっと話を合わせてくれよな」

【カロリア】
「え、なに……!?」

私の腰に腕を回すと、力強く引き寄せた。
その綺麗な赤毛が私の頬に触れ、わけも分からず狼狽えてしまう。